7月4日の23時からNHKの戦後史証言プロジェクトで、岩手県沢内村が取り上げられました。高齢者医療の無料化や保健師などによる健康管理課を設置し一人当たり医療費を減らした経験などがクローズアップされていました。
高齢者の医療費の無料化を実現しながら継続できなかった日本。さらに超高齢化に対応できず2025年ないしは2030年問題に直面している日本。一方で、医療費の無料化を国家として実現しているスエーデンやカナダやフランス等々。その中で、沢内村の健康管理課を設置し1人当たり医療費を減少させた経験。まさにこの番組は戦後日本の選択を検証する良い機会を与えていると思います。
沢内村の深沢村長は医療費の無料化について県からクレームが来た時、「国民健康保険法違反かもしれないが憲法には(第25条)違反していない」と反論したそうです。1960年、議会でもそのように発言し議会の同意を取り付けたとのことです。また、3年で受診者が3倍になり、1963年には医師を課長とし、保健師、栄養士で健康管理課を設置。脳卒中が多いことから塩分対策や沢内式健康住宅(寒さ対策)などに取り組みます。全村民の健康データベースを揃え、医師である課長のもと、きめ細かい対応を行っています。その結果ひとりあたり医療費を大きく減らしています。当時の武見日本医師会長も沢内村を視察し、この予防活動に注目したとのことです。
いろいろ参考になる番組でした。